千葉県四街道市で日本刀の研磨工房を開業しています。
私が日本刀に初めて触れたのは、地元の同好の士が集まって開かれていた日本刀の鑑賞会に参加した時のことです。
そこには何百年も前に作られた刀も有り、それが今も光り輝いて現代に伝えられているということに驚いたことを思い出します。
私も先人が守り伝えてきた日本刀(文化財)を研磨により後世へ引き継ぐ手助けが少しでもできれば幸いと思っております。
この鑑賞会でまじかに日本刀を見て、また自分の手で持つ体験ができたことがきっかけで、
日本刀を実際にもちいての武道である居合道を習い始めることになりました。
居合道は江戸初期から始まった剣技で、刀を腰に差した状態から刀を抜き放ち、目前の敵に
切りつけ、さらに納刀までの一連の技を習得するものです。
居合にもちいる日本刀は初めは真剣ではなくて練習用の模造刀ですが、修練が進んでくると
今度は真剣を使うようになります。
居合の稽古の後は刀身に付いた手油、汗などを取って油をひき替える手入れをしますが、
手入れが悪いと刀身に錆がついてきてしまいます。私も手入れが悪く一度、錆が付いてしまった
ことが有り、その錆をなんとか取りたいと考えたことが日本刀の研磨を始めるきっかけとなり
ました。
2021年9月